NISAのつみたて投資枠などを使って、インデックスファンドを毎月コツコツ積み立てている人も多いと思います。
積立投資を始めるときには、
- 毎月いくら積み立てるか
- 何に投資するか
- 何年間続けるか
といったことを考えます。
では、順調に資産が増えたあとのことは、どうでしょう。
「老後まで持ち続けるつもりだから、特に考えていない」という人もいるかもしれません。それも一つの考え方です。
また、積み立ててきたお金が大きくなってきたら、そのお金にこれからも同じ役割を持たせ続けるのか、考えてみるのも良いかもしれません。
この記事では、積立投資で利益が出てきたあと、そのお金をどうするのか。少し違った角度から考えてみたいと思います。
積み立て続けることのリスク
長期で積み立てることには、大きなメリットがあります。時間を味方につけながら、購入するタイミングを分散できるのも積立投資のよさです。
一方で、資産が大きくなってくると、少し違った見方も必要になります。
たとえば、これまで積み立てた元金200万円が、値上がりして300万円になったとします。
ここから相場が10%下落すれば、値動きは30万円です。資産額が大きくなればなるほど、相場変動によるインパクトも大きくなっていきます。
だからといって「300万円になったら売った方がいい」という話ではありません。
ただ、「そのまま持ち続ける」以外にも選択肢はあるはずです。資産が増えてきたからこそ、その先を考えてみる。それも大切な視点だと思います。
積み立てを続けながら、ときどき時間軸や目的を見直すという考え方については、以前の記事「つみたてNISAは続けつつ『時間軸』を見直したい50代以降の投資戦略」でも書いています。
関連記事:つみたてNISAは続けつつ「時間軸」を見直したい50代以降の投資戦略
一部を確定する、という選択肢
300万円になった資産をそのまま運用し続けることもできますが、もちろんすべてを売却する必要もありません。
たとえば、保有資産のうち50万円分だけを売却する。残りの250万円は運用を続け、毎月の積立も継続する。そんな方法も検討するとよいですね。
確定した50万円には、それまでとは違う役割を持たせることができます。
- 預金として置いておく
- 債券や金など、値動きの異なる資産へ移す
- 次に投資したいものが見つかるまで待機資金にする
- 自分や家族のために、人生の楽しみとして使う
「積み立てを続けるか、全部売るか」。その二択ではありません。
利益確定したお金を「使う」「守る」「次へ回す」という視点については、こちらの記事でも詳しく考えています。
関連記事:利益確定のその先へ|資産が育つ人の「利益との付き合い方」
そのまま運用した方が増えるのでは?
ここまで読むと、「せっかく増えているのだから、そのまま運用した方がいいのでは?」と思うかもしれません。
増えた資金をそのまま運用し、その後も市場が上昇すれば、一部を利益確定するより資産が大きく増える可能性があります。
また、直後に相場が上昇すれば、「あのとき売らなければよかった」と思うかもしれません。また、NISAでない場合は税金が発生することもあります。
つまり、「利益が出たら確定した方がいい」という単純な話ではなく、
- そのまま運用を続ける
- 一部を確定する
- もう少し資産が増えるまで待つ
大切なのは「どれを選ぶか」だけでなく、「なぜ自分はそれを選ぶのか」という理由です。
利益確定は、お金の役割を考え直す機会になる
積立投資を始めたとき、そのお金には「時間をかけて増えてほしい」という役割があったはずです。では、増えた後も、そのすべてに同じ役割を持たせる必要はあるでしょうか。
「まだまだ増やしたい」ならそのまま運用すればいいですし、増えた一部については「ここからは守る役割」「次の機会のための待機資金」と考えてもいい。あるいは「一部は人生を楽しむために使おう」という選択もあります。
利益確定は、増えたお金の役割を改めて考える機会になります。
投資というと「いくら増えたか」に目が向きがちですが、大切なのは「増えたお金をどうするか」です。これから何のために使い、どんな役割を持たせるのか。そこまで考えることで、増えたお金が自分の人生につながっていきます。
持ち続けることも、一つの意思決定
NISAのつみたて投資枠などで長期投資をしていると、「長期投資だから」「積立だから」と、そのまま持ち続けることを自然に考える人も多いと思います。
しかし、資産全体やこれからの目的を考えたうえで「このお金にはこれからも増える役割を持たせたい」と判断して持ち続けるなら、それもOK。
「何となく持ち続ける」のと、「自分で考えて持ち続ける」のは違います。売ることだけが決断ではありません。納得して持ち続けることも、立派な意思決定です。
増えたお金に、次は何をしてもらいますか?
私は、お金には役割を持たせることが大切だと考えています。
日々の生活を支える。もしものときに備える。10年かけて育てる。次の機会を待つ。そして、ときには人生を楽しむために使う。
お金に色はありません。
だからこそ、自分で色をつけて役割を持たせる。
この「お金に役割を持たせる」という考え方は、「人生の重心を調える『3つのお金』の設計図」でも詳しく書いています。生活を守るお金、未来へ育てるお金など、自分のお金を役割から考えてみたい方は、あわせて読んでみてください。
関連記事:人生の重心を調える「3つのお金」の設計図
https://cellarandvalue.com/money-balance-3-buckets/
「いくらまで増やすか」だけでなく、「このお金に、次は何をしてもらいたいのだろう」と考えてみる。そこから見えてくる選択肢があるはずです。
あなたがこれまで積み立ててきたお金は、今も、始めたときと同じ役割でいいでしょうか。
一つの答えより、自分で選ぶための視点を増やしていく
この記事を読んで、「利益が出たら一部を確定するのも選択肢なんだ」と感じた方もいるかもしれません。
メルマガ「葡萄の館からの手紙」では、「こうすれば正解」という答えではなく、「自分ならどうするか」を考えるための視点をお届けしています。
読み続けていくうちに、お金を見る視点が一つ、また一つと増えていく。視点が増えれば、考えられる選択肢も増えていきます。
そして少しずつ、「みんながそうしているから」ではなく、「自分はこう考えるから、これを選ぶ」という判断軸を育てていく。
お金について自分で考え、納得して選べるようになること。
その積み重ねが人生の選択肢を増やし、「こうしたい」と思ったときに、それを選べる余地をつくっていくことで、望む生き方を選びやすくしていく。
そんな視点を少しずつ増やしていきたい方は、ぜひメルマガ「葡萄の館からの手紙」でお会いしましょう。

