「また今月も値上げ……」
そんなニュースを見るたびに、ため息をつきたくなる人も多いのではないでしょうか。
2026年7月には、飲食料品だけでも2,500品目以上の値上げが予定されています。
インフレとは何か?物価が上がるだけではない経済の流れ
毎月のように続く食品や日用品の値上げ。
「もういい加減にしてほしい」
「昔みたいに、もっと安かった頃に戻ってほしい」
そう感じるのは、とても自然なことだと思います。
でも一方で、こんなことを思ったことはないでしょうか。
「自分や家族の給料は、毎年少しずつ上がってほしい」
実はここに、インフレというものを考える大切なヒントがあります。
インフレと聞くと、
「物価が上がって生活が苦しくなること」
というイメージを持つ人が多いかもしれません。
もちろん、収入が増えないまま物価だけが上がれば、家計への負担は大きくなります。
しかし本来のインフレとは、単に物の値段が上がるだけではありません。
物価が上がる。
企業の売上が増える。
働く人の賃金が上がる。
株式や不動産などの資産価格も変化していく。
こんな感じで、経済全体のお金の流れが大きくなっていく状態がインフレです。
インフレとデフレは、どちらが善でどちらが悪というものではありません。
お金の価値や富の流れが変わる「環境の変化」と考えた方が分かりやすいのかもしれません。

NISAで積み立てながら「物価は上がらない方がいい」と思っていませんか?
物価はできるだけ安い方がいい。
これは誰もが感じることだと思います。
同じ商品なら安く買えた方が嬉しいですし、毎月の生活費も抑えられます。
でも少し視点を変えると、経済はすべてつながっています。
商品を作る人。
運ぶ人。
販売する人。
サービスを提供する人。
そこには必ず働いている誰かがいます。
誰かの給料は、誰かが支払ったお金でもあります。
価格を下げ続けながら、企業が利益を増やし、働く人の給料だけ上げ続けることはできない と言ってしまっていいと思います。
もちろん、値上げを歓迎するという話ではありません。
大切なのは、安いことだけが豊かさではないということです。
企業が適正な利益を出し、働く人へ還元し、そのお金がまた消費につながっていく。
本来の経済成長とは、そうした循環の中にあります。
欧米を中心とした世界では、緩やかなインフレが通常の経済環境として続いてきました。
物価が上がる一方で、賃金や企業利益、資産価格も長期的には成長していく。
一直線ではありませんが、経済はそうした前提で動いています。
NISAを始めた時点で、あなたは世界経済の成長に参加している
ここで、NISAについて考えてみたいと思います。
オルカンやS&P500を毎月積み立てている人の中には、自分を「投資家」と考えていない人も多いかもしれません。
将来のための準備。
老後資金づくり。
銀行預金より増える可能性があるもの。
そんな感覚で始めた人もいると思います。
でも、実際にやっていることは世界中の企業への投資です。
企業が新しい商品を作る。
サービスを広げる。
利益を増やす。
その成長に、自分のお金を置いているということです。
つまりNISAで積み立てをするということは、世界経済がこれからも成長していく未来に参加しているとも言えます。
そして、その成長の背景には多くの場合、緩やかなインフレがあります。
「物価はずっと上がらない方がいい」
と考える一方で、
「世界中の企業には成長してほしい」
と期待して投資をしている。
そう考えると、少し違った景色が見えてくるかもしれません。

貯金の感覚でNISAをしていませんか?|インフレ時代のお金の置き場所
日本では長い間、現金を持つことが安心につながる時代が続きました。
物価がほとんど上がらない。
銀行に置いていても、お金の価値が大きく減らない。
そんな環境では、貯金中心の考え方は合理的でした。
しかしインフレの時代では、お金の見方が少し変わります。
例えば、100万円という数字は10年後も100万円です。
でも、その100万円で買えるものは変わっているかもしれません。
金額は変わらなくても、お金の価値は変化します。
だからといって、現金が不要ということではありません。
急な出費への備え。
安心して生活するためのお金。
現金には大切な役割があります。
ただ、すべてを現金だけで持つことが本当に安心なのか。
インフレの時代には、お金の置き場所について考える必要があります。
インフレ時代に必要なのは、自分で選べる力
インフレだから株を買えばいい。
現金より投資が正しい。
そういう単純な話ではありません。
現金を選ぶ人もいます。
株式を選ぶ人もいます。
不動産や金などの資産を持つ人もいます。
大切なのは、何を選ぶか以上に、
「なぜ自分はそれを選んだのか」
を考えることだと思います。
環境が変われば、有利になる選択肢も変わります。
デフレの時代に合った考え方。
インフレの時代に合った考え方。
どちらか一方が絶対に正しいわけではありません。
未来を正確に予測することは誰にもできません。
だからこそ大切なのは、変化を恐れることではなく、変化した時に選べる状態を作っておくこと。
その選択肢が増えること。
そして、増えた選択肢の中から自分の意思で選ぶことができることこそ、本当の豊かさなのかもしれません。



