家庭の食卓だからこその「絶対合わない」組み合わせ
「それ、絶対合わないでしょ」と思った組み合わせ。
でも、家庭の食卓だからこそ面白かった。
「ワインのペアリングって、難しそう…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
白ワインには魚。
赤ワインには肉。
もちろん、それは基本としてとても大切な考え方です。
実際、王道の組み合わせには、
「やっぱりこの組み合わせはすごいな」と感じる説得力があります。
でも一方で、
家庭の食卓って、そんなに綺麗にいかないことも多いですよね。
・冷蔵庫の残り物
・急に食べたくなったもの
・家族の好み
・なんとなく並んだおかず
そして時々、
「どう考えても、赤ワインを選ぶメニューじゃない(笑)」
みたいな日もあります。 (それでも赤ワインが飲みたい日があります笑)
先週の日曜日、
まさにそんな“ちょっと不思議な組み合わせ”でワインを飲んでみました。
するとそこに、
教科書には載っていない、
家庭ならではの面白さがありました。

「ドルンフェルダー」と謎のワンプレート
今回合わせたワインは、
赤ワイン「ドルンフェルダー」。
軽やかで果実味があり、
少し冷やして飲んでも美味しい、
比較的親しみやすい赤ワインです。
そして問題(?)の料理がこちら。
・鰹のたたき
・レモン汁をかけた焼き飯
・鶏もも肉のソテー
・レモンスライス
……改めて並べると、
やっぱり赤ワインを合わせる料理ではない気がします(笑)
特に鰹。
「魚介×赤ワイン」は、
組み合わせによっては生臭さが強調されることがあるので、
ある意味“危険な挑戦”でもあります。
でもその日は、
「まあ、家庭だし試してみるか」
くらいの軽い気持ちで開けてみました。
一口目「やっぱ最悪だ」

そして迎えた一口目。
……正直に言います。
「やっぱ最悪だ」
と思いました。
鰹のたたきの生っぽい香り(生臭さ)が、
赤ワインによって少し強調された感じがしたんです。
「ああ、やっぱり赤ワインと魚って難しいんだな……」
そんなことを思いました。
でも、そのあとです。
口直しのように、
レモンをかけた焼き飯をひと口。
そして、もう一度ドルンフェルダーを飲んでみると、
「あれ?」
と思いました。
もちろん、
“美味しい!”というほどではありません。
でも、
さっき感じた「最悪」が、
少し和らいでいたんです。
むしろ、
「ん? 思ったほど悪くないぞ」
に変わっていく感覚。
5段階評価なら、
相変わらず「2」くらい。
でも、
その“2に踏みとどまった感じ”が、
妙に面白かったんです。
なぜ「評価2」で踏みとどまれたのか
後から考えてみると、
今回の組み合わせには、
いくつか“橋渡し役”がいました。
レモンの酸味が、ワインの酸と繋がった
まず大きかったのが、
焼き飯や鶏肉にかけたレモン。
ドルンフェルダーは、
重厚な赤というより、
比較的酸が綺麗なタイプの赤ワインです。
そこにレモンの酸味が加わることで、
後半にかけて、
ワインとの違和感が少し和らいでいきました。
「レモンが会話をつないでくれた」
そんな感覚です。
鶏もも肉の脂がクッションになった
もう一つ面白かったのが、
鶏もも肉の存在。
鶏の脂が口の中をコーティングしてくれることで、
鰹の生臭さと赤ワインの鉄っぽさが、
直接ぶつかりにくくなっていた気がします。
もしカツオ単体だったら、
もっと厳しかったかもしれません。
でも今回は、
レモン
焼き飯
鶏肉
が間に入ることで、
“なんとか成立した”。
そんな家庭料理らしい、
不思議なバランスがありました。
ワインは「実験」すると、もっと楽しい
もちろん、
白ワインと魚介。
赤ワインと肉。
そうした王道の組み合わせが素晴らしいことに、
変わりはありません。
ムルソーとバターを使ったサーモン料理
シャブリと生牡蠣
そういう組み合わせには、
やはり「完成された美味しさ」があります。
でも、
家庭の食卓には、
また別の楽しさがあります。
・冷蔵庫の中身
・その日の気分
・偶然並んだ料理
そこに、
「とりあえず開けてみるか」
で始まるワイン。
そして時々、
「意外と悪くないかも」
という発見が生まれる。
けして完璧じゃない。
でも、
そういう“小さな実験”こそ、
ワインの時間を何倍も豊かにしてくれる気がしています。
家庭の食卓には、
レストランのような“正解”はないけれど、
その代わり、
偶然から生まれる面白さがあります。
だから今夜も、
冷蔵庫にあるワインを、
とりあえず一本開けてみる。
そんな楽しみ方も、
悪くないのかもしれません。

