日銀の利上げは、ビットコインに追い風か、逆風か?

ビットコイン

2026年9月、日米の中央銀行が相次いで利上げしました。

金利が上がれば、株式やビットコインには逆風になる。一般的にはそう考えられています。

ところが、ビットコインは利上げ後に反発し、9月21日には8万6,000ドルを超えました。

金利が上がったのに、なぜ今回は「教科書的な動き」にならなかったのでしょうか。

日銀の利上げがビットコインに与える影響と、私たちのお金にどのようなことが起こり得るのかを考えてみます。

26年前の利上げと、今の違い

2000年8月、日銀は前年から続けていたゼロ金利政策を解除し、政策金利を0.25%程度に引き上げました。

この決定に反対したのが、当時、日銀の審議委員だった現在の総裁、植田和男氏です。

植田氏は、株式市場などの動きをもう少し見極めたいことや、当時の物価動向から判断して、利上げをしないでもう少し様子を見る。そのことで生じる社会や経済への負担は、大きくないことなどを理由に挙げました。

その後、ITバブル崩壊などによって日本の景気は悪化。日銀は2001年3月、市場に大量のお金を供給する量的緩和政策を導入します。

 

当時の日本は、物価が下がり、給料も増えにくい時代でした。

一方、現在は物価高がすすみ、食料品や電気代などの値上がりが続いています。

日銀は2024年3月にマイナス金利を解除し、2026年9月18日には政策金利を1.25%へ引き上げました。

かつてはデフレからの脱却が課題でしたが、現在は物価上昇への対応が求められています。

同じ利上げでも、その背景は大きく異なるのです。
 

借りた円が戻るとき

日銀の利上げがビットコインに逆風となる仕組みの一つが、円キャリートレードです。

例えば、金利の低い日本で円を借り、ドルに換えて、利回りの高い海外資産に投資するとします。

ところが、日本の金利が上がれば、円を借りる負担が増える可能性があります。さらに円高が進めば、海外資産を円に戻したときの利益も減ってしまいます。

その結果、投資家が借りた円を返すために海外資産を売却することがあります。

こうした動きが株式や暗号資産に広がれば、ビットコインにも売り圧力がかかるかもしれません。


とは言っても、金利が上がれば必ず円高になるわけではありません。

実際、2026年9月は日米がともに0.25ポイント利上げしましたが、為替市場では円安が進みました。


その理由については、以前の記事「日米がともに利上げしたのに、なぜ円安になったのか」でも取り上げています。

金利が上がっても、お金の価値は守れる?

反対に、利上げ後もビットコインへの関心が高まる可能性があります。


ここで考えたいのが、名目金利と実質金利の違いです。

例えば、銀行の預金金利が年1%になっても、物価が2%上昇すれば、預金で買えるモノやサービスは実質的に減ってしまいます。

この物価上昇を考慮した金利が、実質金利です。

食料品や電気代など、値上げのニュースが続くなか、金利が上がるだけでインフレは収まるのでしょうか。

利上げには物価上昇を抑える効果が期待できますが、すぐに値上げが止まるとは限りません。

金利が上がっても物価上昇が続けば、円預金以外の資産にも目を向ける人が増えるかもしれません。

株式や金、外貨建て資産、そしてビットコインも選択肢の一つです。


ビットコインには、発行上限が約2,100万BTCという特徴があります。

ただし、供給量が限られていても、価格や購買力が保証されるわけではありません。

利上げしても物価上昇が続くことは、ビットコインへの関心を高める要因にはなっても、必ずしも価格の上昇につながるわけではないのです。

ビットコインを動かすもの

2026年9月16日、米FRBは政策金利を3.75〜4.00%に引き上げました。

その後、ビットコインは反発し、9月21日には8万6,000ドルを超えました。

背景として市場関係者が挙げたのは、米国の現物ETFへの資金流入や暗号資産の規制整備への期待、短期投資家の買い戻しなどです。

現物ETFとは、証券口座を通じてビットコインの価格に連動する商品へ投資できる仕組みです。

ただし、どの材料が価格をどれだけ動かしたのかは、正確にはわかりません。


さらに、日本の投資家にとっては為替も重要です。

ドル建てのビットコイン価格が上がっても、円高が進めば、円換算での利益は小さくなります。

金利、為替、資金の流れ。

市場は、一つの材料だけで動いているわけではないのです。

先を読むより大切なこと

日銀の利上げが、ビットコインにとって追い風になるのか、それとも逆風になるのか。結局のところ、先のことはわかりません。

ただし、どのようなことが起こり得るのかを知り、それに備えることはできます。
 

例えば、ビットコインが大きく値下がりしたらどうするか。

金利が上がっても物価上昇が続くなら、自分の資産をどのように持っておきたいか。


数年以内に使う予定のお金と、長期的に増やしたいお金では、取れるリスクも異なります。

大切なのは、先を予想して正解を当てることよりも、いくつかの可能性を考え、自分なりの答えを用意しておくことだと思います。

その答えは、年齢や資産の状況、これから実現したいことによっても違うでしょう。

経済ニュースは、未来を正確に予想するものではありません。

自分のお金の持ち方を考え、選択肢を増やすための材料にもなるのです。

 

金利や為替、ビットコインの話は、少し難しく感じることもありますよね。

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